読みきかせだより(年中・年長) 89
2018年11月14日
(11/7、8、9活動記録より)
長く愛されている物語には、「3」という数が鍵となっているものが多くあります。エピソードが3回繰り返されるというものです。同じような言葉、展開が、1回目から2回目、3回目と、じわじわ濃くなり、3回目でピークに、そして、物語が大きく動きます。私自身、この繰り返しの間のドキドキがたまらなくて、「3」のおはなしが大好きだったことをよく覚えています。
「三びきのやぎのがらがらどん」、「三びきのこぶた」、「三びきのくま」は、おはなしの中における「3」マジックが見事にいきている、そんな外国作品の代表格ではないでしょうか。がらがらどんのトロル、三びきのこぶたと対峙するオオカミなど、ちょっとこわい存在との駆け引きも、たまりません。現代っ子の子どもたちも、おはなしの間シーンと集中、1回目、2回目、3回目・・・「くるぞくるぞ!」と、気持ちが無意識に高まっている様子も、十分伝わってきました。音楽でいうと、クレッシェンドでしょうか、この流れ、過程が、おはなし、特に昔話の醍醐味のひとつだと感じます。こどもたちの根っこの部分に、そんなおはなしが奏でるリズムの心地よさが、残っていくといいなぁと思います。
読みきかせ教室 年中・年長担当
二宮美奈 大野裕香