読みきかせだより(年中・年長) 80
2018年6月20日
(6/13、14、15活動記録より)
麦秋から梅雨へ、麦の黄金から稲苗の早緑へ、この時期の風景がとても好きです。紫陽花、ほたる、枇杷の実、梅の実・・・日本ならではの風情を感じます。
絵本「いけのおと」は、蛍の光が彩る、夜の池の場面からはじまります。文は、げえこげえこげえこ・・・かえるのなき声です。その後、時間の経過と共に移ろうその池の風景を、かえるの目線と、音の描写で表していきます。はじめは、ゆっくりと、私が読みました。こどもたちは、聞こえてくる様々な音とともに、一場面一場面をじっと見つめ、知っている生きものを見つけたり、音の違いに興味を持ったり、次第に能動的になっていきました。2回目は、みんなで音で読んでみようと促しました。「げえこげえこ」「ザ――ザ――」「ぽちゃんぽちゃん」・・・臨場感あふれる声がたくさん出ました。ここ数回、この群読を、作品を変えて楽しんでいますが、年長さんはもちろん、年中さんも、とても表情豊かな声がはじめから出て、嬉しくなります。
続いて読んだ絵本「おむすびさんちのたうえのひ」は、おむすびが田植えをするというユニークな設定ですが、ご近所さん総出の田植えの場面は、古き良き日本の風景そのもの。経験していなくても、懐かしくあたたかい気持ちになれる、そんな作品です。
読みきかせ教室 年中・年長担当
二宮美奈 大野裕香